Not Quick a Nine

日々の気になることを、独断と偏見で綴る、バカ親父ブログです

モノづくりのプロが『ハンドスピナー』を見よう見まねで作ってみた

こんにちは、ブンガです。

なんか最近あちこちの動画やサイトで『ハンドスピナー』なるものをよく見かけるようになりました。

見てみると、手裏剣みたいなやつをベアリングでクルクルさせるだけのおもちゃなんですね。

今日はこのハンドスピナーを掘り下げてみたいと思います。

ハンドスピナーって??

ハンドスピナーでグーグル検索をするとこういう感じのがだぁ~っと出てきます。

まぁ、いろんな形があるんですが、これをくるくる~って回すっていう、ただそれだけの代物です。

面白くもなんともないと思うんですが、これが今アメリカではヒット商品になっているということです。

youtu.be

世の中よく分かんないことだらけだなぁ、、、なにが楽しいんだろ?(汗)

そもそもは病気の子供の為に作られたおもちゃ

ハンド・スピナーは1993年、筋力の低下を引き起こす重症筋無力症を患う娘を持つ米フロリダ州在住の母親によって生み出された。力が思うように入らない娘でも遊べる「オモチャ」として産声を上げる。その後、2016年ごろに企業家の目に留まり、「ストレス解消グッズ」として商品化。若年層を中心に広まり、米ニューヨーク・タイムズでも特集された。 http://news.so-net.ne.jp/article/detail/1389265/?nv=c_top_latest

これはネットの記事から引っ張ってきた引用ですが、もともとは病気の子供の為に作られたおもちゃだそうです。

さらに、回してみると妙に落ち着いたり、ストレス解消になったりということから、ADHDの人に良いとか、禁煙中の禁断症状の緩和に良いなど、他の分野でも活用されつつあるようです。

とってもリーズナブル

価格はいくらくらいなのか?と興味半分で調べてみました。

下は500円から、上は何万円もするものまであるんですねぇ。

まぁね、装飾に凝れば価格はいくらでも高くできますしお寿司……。

驚いたのは安い方の価格ですよ。500円とかどうやったらこんな値段でできるんでしょうか??

日本の物価だとベアリングだけで製品価格超えちゃいますよ……。

量産すれば価格が追いつくか?っていうと、日本だと作れば作るほど赤字だと思うんですよ、きっと。

やっぱり中国製ですかね、凄いな中国って。

自分で作ってみる

で、どんなもんなのか買ってみても良いんだけど、私はモノづくりで飯食ってますから、自分で作ってみようじゃないですか。

たしか、、、工場のガラクタの中に使い古しのベアリングが色々とあったはず……ってことで、引っ張り出してきました。

色んなのが出てきました。

うちの工場にあるのは、出荷時に部品に取り付けるものというよりは、何かの製品に付いていたんだけど、ヘタってきたので取り替えた中古が殆どです。

実際にまわしてみると、くるくる~~っとハンドスピナーのようにまわるベアリングは皆無でした(^_^;)

大きさも微妙にちょうど良いのは無いんですよねぇ……。

ただ、今回はお試しでどんなもんか?で作ってみる予定なので、同じのが3つあったφ22くらいのベアリングを使って作ってみたいと思います。

設計

とりあえず設計します。

ベアリングをメインで考えて、そこから外観と軸になるピンの寸法などを決めていきます。

お試しなので、小難しいことはな~~んも考えてません。

こんな感じで!

材質は削りやすさと重さを兼ね備えた真鍮で行きましょう。

ざっくりと出来上がった感じをレンダリングなんかしてみたりして。

こんな外観になると予想。

つうか、こんなにギラッギラじゃないと思うんだけどね、レンダーの使い方が良く分かっていないので、これ以上は追及しない(^_^;)

さて削っちゃうよ!!

素材はこれね


この塊魂からガリガリと削っていきます。


まずはざっくりと仕上がりの厚みに切断機で切り落とします。

旋盤加工


丸で構成されている部分は旋盤加工で仕上げていきます。


削り終えるとこんな感じになります。

キレキラ~~~♪♪ (^o^)

マシニング加工


丸くない部分はマシニングで加工します。

コーナー部分についているフィレット(R取り)なども後でやると面倒なので、こちらで全部やってしまいます。



本体部分の旋盤、マシニングの加工が終わりました。

試しにベアリングをはめ込んでみました。

今回、ベアリングを本体に留めるような構造を作っていないので、ベアリングは本体に若干圧入になるように隙間が極力ゼロになるように仕上げてあります。

軸部品を製作

軸になる部品も旋盤で作っていきます。

軸がベアリングにギリギリに入るように嵌合いを調整します。

公差で0.005mmくらいで仕上げます。

オスネジ、メスネジ両方出来上がりました。

メスネジの中央にはペン先でクルクル~っと出来るようにセンター穴も付けてみました(^_^;)

完成!!!

出来上がった部品を組み上げて完成です(^o^)


早速、くるくる~~~っとしてみます!

youtu.be

ブンガ的まとめ

どうでしょ?

精度はバッチリ、バランスはほぼ狂いなくゼロで出ています。

ただね、、、ベアリングが中古でクソなので、長くは回りません。

最初は5秒も回らなかった(^_^;)

なんだかんだベアリングのメンテナンスをして3分程度はまわるようになりましたが、この辺が限界でしょうかね。

あとできることは、軽量化ですかね。

やっぱり真鍮でこれだけゴツくつくると重たくて、落としたらやばいだろ!ってくらい重いんですよね。

ということで、早速色々と改良できる点が見つかったので、改良版を作る算段を整えています。

一番長く回すには、先端を重くその他を軽くっていう設計が良さそうです。

あと、、、今回のはちょっと回しにくいんですね、もっと回しやすくするには、どうしたら良いか?というのも今回のでわかりました。

ということで、また次回! 

ではでは(^.^)/~~~