皆さんは落語を聞いたりする機会はあるでしょうか? 落語ってあんまり面白くないとか、やっぱり映像がなきゃなぁ……なんて理由で敬遠してきた方にオススメなのが現在NHKで放送している 『超入門!落語 THE MOVIE』です。
とかく「長い」「単調」「難しい」と言われがちな落語に、完璧な「アテブリ芝居」をかぶせてみたら…初心者でも「面白くわかりやすい新たなエンタメ」が誕生!名付けて「超入門!落語THE MOVIE」。
噺家の語りに合わせて再現役者の口が動く、いわゆる「リップシンク」に徹底的にこだわり、あたかも落語の登場人物たちが実際に話しているかのような臨場感を演出。見ている人をリアルな落語の世界へと導きます。
超入門!落語 THE MOVIE - NHK
先日の第一回放送のお噺は「かぼちゃ屋」「お見立て」でした。
かぼちゃ屋では、加藤諒さんが与太郎役を演じ、お馬鹿なんだけども憎めない感じがとても良く出ていました。 主人に上を見て(利益を乗せて)売ってこいと言われ、そのまま手を空に向けて上を見上げてぼーっとしている姿が最高です。
お見立てでは、おいらんの喜瀬川役に前田敦子さん、自分のもとに通ってくる田舎のお大尽役の塚地武雅さんがいやでしかたない。店の者を使者に立てアノ手コノ手で追い返すうちに、ついに自分が死んだということにした挙句、他人の墓参りをさせますが……
今まで誰もチャレンジしなかった、落語へのアテブリ芝居
番組中のお離しでは、噺家の音声に合わせて役者が演技を行います。 これがさすがプロと言うほど合っていて、最初は違和感のある音声と映像ですが、少し経つと全く違和感がなくなってきて、前田敦子演じる花魁が「しようがないねぇ、、もう~~~、じゃぁいいよぉ、死んじゃったってそう言いなよ」なんてセリフを本当に喋っているように聞こえてくるから不思議です。
実際、役者さんたちには落語の音声と台本を渡されて、音声と間合いに合わせて練習をしたそうです。噺家さんの息遣いや間合いに合わせて自分の演技をあわせていくというのは、かなり難しいですよね。演技ってのは息遣いや間合いで変えていくわけだから、そこを固定されるっていうことは、将棋で言うと飛車角落ちで対局しているようなそんな演技になるわけですね。
そうやって練習をしていくわけですから、恐らく役者さんは1人で落語ができるくらいまで覚えてしまう状態で撮影に臨んだんだろう事が伺えます。 メイキングの様子を語る前田敦子さん曰く、「撮影現場でも噺家さんの音声が流れている中、アテブリをしていったけども、異様な風景でした」と言っているように、この試みが初のチャレンジってことがわかります。
落語に馴染みのないお子さんには特におすすめ
私もそうですが、現代においては皆、TV、ビデオ、Youtubeなどの映像漬けになっていて、人の話しを聞いてそれを頭の中で映像化するという事をおざなりにしがちですよね。 そんな私達の想像のちから、右脳のちからを呼び覚ましてくれるのがこの番組のような気がします。
番組のHPでは番組で使われた音声の高座映像(噺家さんだけが映っているもの)が見られるようになっているので、こちらも是非見ていただきたいなと思います。というのも、改めて見てみると、聴き逃していた物語の描写などが事細かく語られていることに気が付くと思います。
http://www4.nhk.or.jp/rakumov/
この番組を見て、私自身、日頃から相手の話しを1つ残らず大切に聞いて理解をしていかないと駄目だなぁと気付かされました。
毎週水曜日午後10時50分~ 午後11時15分 NHK総合 『超入門!落語 THE MOVIE』
オススメですよ!
初心者にオススメの落語書籍
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