ずっとどうしようか悩んでいたけども、この出来事が全てエイプリルフールのネタだったら良いのにと思い、今日記事を書いておくことにした。
去る2022年1月6日早朝に私の義弟である「まとし」が膵臓癌でこの世を去りました。(まとしはIngressでのエージェントネームです)
彼がネット上でどれくらいの規模で活動していたか?など良く分からないけども、恐らくスマホゲームのIngress関連では都内城南地区では彼を知っている方もいくらか居たのかなぁとは思う。なので、彼が亡くなったことをネット上で彼と深く関わった人が知ってくれたらなと思い、こうやって記事にして公表することにした。
私が彼を癌だと知ったのは去年の9月頃で、恐らく本人が知ったのも大して変わらない時期だったと思う。
職場でおへそから血が出たということで急遽病院に行って精密検査を受けたところ、膵臓癌末期(余命3ヶ月)だと知らされたらしい。
その時に彼は『最悪だ……』と言っていたけど、その気持はどれほどのものだったのか、想像できない絶望感だったろうにと思う。
私と言えば、「いやいやいや、まさか、普通に今も歩いてるし……」と思ったし、まさかその後本当に彼が亡くなるとは思わないし、正直現実を直視出来ていなかった気がする。
ちょうど1年ほど前から義母の認知症が酷くなり、フットサルの参加もまばらになっていて、頻繁に彼に会わなくなっていた。そんな時に彼が癌であることを様奥から聞いてから、まさかねぇという気持ち半分、彼の弱っている姿を見てどう声掛けしたら良いか分からないの半分で、彼とはずっと顔を合わさないまま年末を迎える。
当然一通り癌の治療はやっていたらしいが、癌はそんな事を一切無視して着実に進行していた。去年の年末クリスマス過ぎた頃に、朝起きたら体が動かずどうにもならないという連絡があり、急いで救急車を呼んだらそのまま病院に入院することになり、そのまま年を超すことになる。ここまで癌が進んでしまうと、病院ではこれといった決め手となる治療は無く、終末期医療として今後どうするかを考えていかないとならないと医師からは言われたらしく、様奥と私はいつになくドンヨリとした正月を過ごした。
正月を明けて仕事始め、仕事場で得意先と商談をしている最中に病院から、トシくんがどうやら危険な状態だと連絡が入った。まさか、、、という思いで車を病院まで飛ばした……。病院のエレベータも待てずに階段で5階くらいまでを様奥を押しながら駆け上がって病室に付いた時には、既に心電図モニターのアラーム音が虚しく鳴り響いていた。
看護師さんのお話だと起きてから暫くは普通に会話をしていたが、急に容態が悪化して心停止したらしい。
人はそんなにあっけなく逝ってしまうのか……。
結局、彼が癌だと知ってから満足に会話すること無いまま彼はこの世を去ってしまった、最後まで現実を直視できなかった事を私は悔やんでも悔やみきれない。
彼とは様奥と付き合い始めた時に知り合い、9歳違いの彼は小学校にまだ通っていた頃だった。様奥の家にお邪魔すると、家の片隅にはレゴブロックの海賊セットみたいのが置いてあって、どうやって接したら良いのか戸惑った記憶がある。その後、なんだかんだで様奥と結婚することになり、一人っ子だった私に初めての弟が出来た。嬉しいような恥ずかしいようなそんな感じだろうか。
人付き合いのあまり上手ではない私を彼はとても慕ってくれていた気がする、というか私には勿体ないくらい慕ってくれた。私がサッカーゲームにハマれば行く度に二人でずっとサッカーゲームばかりやっていたし、私が釣りにハマれば毎週の様に付いてきてくれてくれた。毎週東京から北浦まで通う変態みたいな趣味に付き合ってくれたなぁと、本当に申し訳なかったなと今更ながら思う……。
私の息子がサッカー教室に通うようになれば、それの見学にちょくちょく顔を出すようになった。そしてその流れで父母で参加するサッカーのサークルに私と一緒に参加する羽目になり、さらにその流れで私が主催する事になるフットサルチームに入れられて、毎週フットサルに駆り出される事になるとは本人も思わなかっただろうな。
あ、そうそう、スマホゲームのIngressも一緒にやっていたゲームの一つだった。まぁ、これは一緒に始めたというよりも、密かに私が始めていたところ地域のコミュニティで偶然「まとし」の名前を見つけ、まさかな……と思っていたら、ビンゴだった。ゲームのリアルコミュニティの中に、義理の身内が居るとかってのは若干疎ましく思ったこともあったが、一方で小学生の頃からの彼を知っている身としては、オフ会などを企画して楽しそうに大人のコミュニケーションが取れていた姿を見て、大きくなったなぁなんて思っていた。
地域のオフ会などで彼と仲良くしてくれた方々、彼の幸せそうな姿を私に見せてくれて、本当に本当にありがとう、感謝しかありません。
私が作ったIngressのネックレスをずっと身につけてくれていた。